「A Primer of Peripheral Vascular Diseases 」 by Travis Winsor
今回の本は「 A Primer of Peripheral Vascular Diseases 」 by Travis Winsor , Chester Hymanです。末梢循環障害について本です。理学療法の専門書ではありません。これは博田先生がアメリカで末梢循環障害についてまとめられた時に参考にされた本です。私も含めて博田先生が末梢循環障害についてまとめられたものをコピーしています。これも古い本です。その冬至のことを今に当てはまるには無理な部分はあります。しかし、基本的なことは今も変わりありません。そして、この本も著者:Travis Winsorのサインがあります。マニア心をくすぐります。
物理療法について講義をする中で末梢循環障害のことを参考にするときには今でも重宝しています。温熱・寒冷療法の適応・禁忌、循環状態についての検査…など今ではあまり留意されていないような項目があります。
物理療法は現在ではほとんどEBMから言っても治療効果を認められていません。しかし、ある限った範囲ではありますが、循環障害に対して物理療法は効果を持ちます。また、糖尿病など末梢循環障害を引き起こす疾患によく遭遇するので循環動態を把握することも必要なことです。
末梢循環障害のある状態では、下肢を持ち上げた時に足部の色は変化します。白くなったり、赤くなったり、紫になったりです。また、圧迫後に色がどう変化するかも血行動態の把握につながります。白くなるのは動脈血、静脈血がソノ部位にない時です。下肢を挙上して白くなるのは動脈障害を示唆しています。また圧迫後に白くなっている時間が延長するのも同じです。下肢を挙上して紫色が赤色に変化するのは静脈障害を示しています。下肢を下ろせばまた紫になります。圧迫のあと、すぐに赤色に戻ってから紫色になるのは静脈障害です。
このように重力、圧迫などを使って血液の動きを見て循環障害の状態を把握できるというわけです。一度見たら忘れることはありません。
物理療法はもともと物理医学の中での治療手段として体系づけられています。だから、理学療法の中で使われるとしても治療医学の側面が強いです。疾患、Impairmentsに対応するものです。それだけ影響があるものなのですが、残念ながら現在ではそのような使われ方はほとんどありません。痛みがあればホットパックなど温熱療法が処方されたます。また、患者さまも簡単にリラックスができるなど求めている効果ではないにしても楽になれることから受け入れています。そして、実際にホットパックを作ったり、機器を操作したりすることは誰にでもできることです。そういうこともあって物理療法はすっかり誰にでもできるものとして広がってしまいました。
しかし、本来は局所に対する温熱の適応の可否によっては遠隔反応を用いたり、深部静脈血栓症などの経過によっては禁忌とするものがあったりなど専門家の判断が必要な部分があります。
理学療法の発祥である本来の物理療法を知ることは大事なことです。国家試験にも出題されます。専門家として勉強することは欠かせません。
そんなことを書いていますが、実は臨床ではあまり考えて物理療法をしたことはありません。恥ずかしながら…。学校に転勤になって初めて真剣に勉強しました。物理療法はけっこく奥が深いです。
