奈良リハをもっと知る-奈良リハよもやま話-


今日は切迫感と満足感がいっぱいでした。

教員 赤松です。今日は博田先生の診察を見学しました。朝10時から診察は始まります。博田先生はいつも半過ぎには来られます。私は同じ頃に行くようにしています。特に何があるというわけではありません。
白衣に着替えて時間待ちです。時間通りに診察が始まりました。だいたい一人あたり30分くらいで診察されます。もう何年も通っていますが、本当に不思議なことが目の前で起こります。何も知らないと何かの手品のように思えるでしょう。しかし、現実です。身体診察を駆使すれば画像や検査などほとんどなくても診断・治療がここまでできるのかと感心することが毎回あります。自分が知らないだけだという面も多々あります。でも、知っていてもこんな風に展開できません。

当たり前のことですが、診断の中にはAKA-Hも使われています。治療としても使われます。治療することで診断できるものも多くあります。神経学的に説明のつかない現象にはAKA-Hが必ず登場します。その結果、神経学的に一致するようになります。それが本来の見るべき状態ということになります。患者さまの状態はいろいろなものが重なっています。同じように見えても何が原因かは違うことがあります。だから、単に現象だけを見て治療していると誤った手段を執る可能性があります。治療効果があがらない理由の一つになります。
博田先生の診察を見ていると、関節原性のものが大変多いことに気づきます。それはすべて関節に対する治療が証明しています。100%原因が関節であるということではありません。しかし、臨床で「不思議なこともあるもんだなぁ」と思う現象に関節が関与していることは否定できないと思います。それを証明する手段を使えるかどうかは大きな違いになりそうです。そう思うからこそできるだけ博田先生の診察を見学しておこうと思っています。
関節に原因を求める考え方は特殊なものではありませんが、関節の動きに関係するものとなると一般的であるとは言いにくいところもあります。私が知らないものはいっぱいあります。これからの勉強が必要です。
また関節内の動きに対するアプローチにもいろいろとあります。何が正しいかは治療効果が一番上げられるかどうかだと思います。また、正しいものがいくるあるのかも誰にもわかりません。

昼休憩をはさんで午後からの診察が13時半から始まりました。午後からは理学療法室で実際の治療場面での診察になります。どちらかと言えば、PTに対しての指導になっています。こういうことが行われている施設は数少ないと思います。それを求めて就職を決めている人もいます。

15時半からは作業療法室で質問会になります。毎回、臨床での疑問点をここで博田先生にする機会となっています。これ以外の機会でも博田先生は質問に答えてくれます。その中で質問に低周波刺激についての説明がありました。この前のブログで神経興奮性テストのことは書きました。今度は博田先生の説明とあわせて治療について書きます。
なぜ低周波刺激をするかというと、筋は神経から栄養をもらっているため神経が途絶すると筋組織がなくなっていってしまうからです。それを防ぐために電気刺激を加え筋収縮を他動的に行い、維持しようとするわけです。実際に保てるかどうかは疑問がありますし、なくなるという表現は適切ではないかもしれません。とにかく軸索がたもたれているかどうかは大きな違いになります。
変性筋を収縮させるのは難しいです。神経支配が保たれているとその神経に対する小さな刺激で筋収縮を起こすことができます。神経支配もあるので栄養も保たれています。ところが部分的なものも含め変性筋は筋自体に電気刺激を加えて収集を得ようとします。閾値で比較すると、筋の方が相当高いものになっています。電気刺激の反応からすると、急峻な立ち上がりをもつ波形には変性筋は反応できません。それに通電時間が長くないと同じように収縮しません。つまりは強い刺激が必要になります。しかし、強い刺激は周囲の正常筋も反応します。いかに目的とする筋だけを収縮させるかが重要な点になります。
日本にある電気刺激機器は周波数の関係上通電時間が短くなってしまいます。昔の機器ですと設定が細かくできるので通電時間を長くすることができます。通常、日本にある機器は5Hzくらいです。つまりは1周期に200ミリ秒になります。そして、変性筋に対しては波の立ち上がりから考えると正弦波がよいとなっています。正弦波1周期には刺激するタイミングとしては4回あります。だから、1周期の1/4、50ミリ秒の通電時間となります。ようするに1回の刺激では50ミリ秒程度しか通電できないことになります。正常筋はもっと短い通電時間で反応できますが、変性筋はもっと長くないと反応できません。だから、日本の機器ではうまくいかないという結果になります。
波形のことと、通電時間のことに加えて刺激を効率よくするにはさあにサージという設定をします。これは一つの刺激の強さを徐々に減弱させることになります。刺激をしながら、徐々にその強さが増していき、あるところでピークを迎え徐々に弱くなっていくものです。この方が変性筋には有効です。
電極については通常は陰極を刺激導子に使用しますが、変性筋にたいしては双極導子を使います。閾値が一番低い刺激は陰極閉鎖刺激になりますが、変性筋には当てはまらないことがあります。それに刺激の強さを変性筋に十分な収縮を起こすほどにすると他の筋への影響が大きくなります。それで、変性筋の両端の腱部にそれぞれ電極を装着します。二つの電極により電気刺激の強さをできるだけ効率よく変性筋に対して加えることで最小限の強さにし、他の筋への影響を出ないようにします。
以上のことを基準にして設定を決めて刺激します。そうすればより目的とした筋のみに刺激を加えることになります。文章で書けば「ふんふん」ということになりますが、実際にやってみると簡単にはいきません。けっこう痛がられます。それは電気刺激が強く、電流密度が高いために起こります。だから、弱い刺激で収縮を得る必要があります。単に収縮だけをだすのであれば幾分楽ですが…。痛いものは受け入れてくれませんから、治療できないままになります。もちろん、痛みの原因が電気刺激だけとは限りませんから詳細な評価は必要です。
少しでも随意収縮が出てきたら電気刺激は終わりです。そのあとは自動介助運動に切り替えます。収縮が強くなり自重に抗することができるようになれば介助も必要なくなります。
現在ではあまり設定のことは考えられていません。というか、その設定ができない機器がほとんどなので考えようがないということです。古いからいいとも悪いとも言えませんが、どのようにすれば一番いいのかは解剖学、生理学など基礎医学に基づいて矛盾がなく、合理的なものでなくてはならないと思います。

16時からはANT:手掌腋窩介助歩行と第1肋椎関節副運動の実技練習をみんなでやりました。手掌腋窩介助歩行はずっと若いPTの課題となっています。なかなかできるようになりません。これはある意味では当たり前のことなんですが、かといってできなくてもいいということにはなりません。だから練習するのですけど…。それに私も練習しないと全然ダメです。
もうすぐインストラクター試験を受ける人がおられますので博田先生に対する質問・指導も具体的ですし、なによりも熱心です。博田先生から直接指導を受ける機会はめったにありません。こんな時は遠慮せずにお願いした方がいいです。

17時過ぎに練習も終わりました。この後は森ノ宮でO田先生、M﨑先生と一緒にお楽しみ会となります。「きょろちゃん」という焼き肉屋さんです。以前から知っている店ですが、待ち合わせをして行ってみると移転していました。O田先生とM﨑先生が先に駅に着いたので、そこから主店を目指して歩いて行ったのですが、ずっと行っても何もないと電話が途中でかかってきました。私はまだ車で移動中でした。とりあえず引き返してもらいました。そのうち私も到着しました。車を停めてお店の方に行きましたが、駐車場に変わっていました。近くの人にお店のことを尋ねてみると移転したということです。けっきょく、森ノ宮駅の近くに移転したと聞きました。何のことはないすぐ近くだったのです。お二人には申し訳ないことです。途中で合流し、一緒にお店を探しました。駅の近くで南側に向かっていくとお店が見つかりました。
お店に入ると懐かしい顔が見えました。以前のお店の人と同じでしたが、内装はずいぶん変わっていました。キレイなお店になっていました。ちょっとビックリです。まだ時間が早いので空いていました。ちょっと時間がたってくるとすぐにいっぱいになります。
さっそく乾杯です。私はウーロン茶で二人は生中です。今日は学校でいっぱいいろいろなことがあったそうです。肉を焼きながら話をしました。あまり深刻な話はできませんが、それでもいろいろなことが検討されていった感じです。ここで決まることはありませんが、参考にはできます。まだ実習が始まって1週目です。なかなか厳しい状況です。
深刻な話はしますが、そればっかりではありません。楽しい話もいっぱいです。みんな結婚もしていますし、私を含めて子供ありが二家族です。一人はまだ子供がいません。所帯じみた話も多くあります。去年までだったらそんな話題も人のことという感じだったのに月日が過ぎるのは早いです。
肉は私が適当に注文しました。だいたい食べたところで最後に美味しい食べ方を紹介しました。私が考えたのではなく、教えてもらったことです。まずは「あかせん」というお肉を焼きます。ノッペラした面から焼きます。そして、十分に水分が飛ぶまで焼きます。ベチャベチャしたままではいけません。それをご飯の上に乗せます。そして、今まで肉をつけて食べていた皿に残っているタレを肉の上からトローリとかけます。ご飯にタレが染むくらいがいいです。そして、タレつきごま葉を一枚肉上からご飯と一緒に包みます。それを一気にほおばります。すると、お茶碗のタレ付きのご飯をさらにほおばりたくなります。追いご飯です。追いご飯が何回でもしたくなります。満足した美味しい笑顔が最後に出てきます。これがぜいたく丼です。ごま葉なしでもいけます。最初はごま葉なし、次にごま葉ありで食べることが多いです。一般的でも何でもありません。私がそうしているだけです。みんなでライス中をそうやって食べました。満腹です。これで打ち止めな感じです。炭火もさっさと片付けられました。もうお暇するタイミングのようです。
おあいそしてもらって店を出ました。満足感いっぱいですが、現実がまたジワッとせまってきます。でも、もうそれは明日にしようということで解散しました。そこから私は車で帰りました。切迫感と満足感いっぱいの一日でした。

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